裸療法(大気浴療法)はフランスのローブリが考案
西式健康法の裸療法(大気浴療法)は、フランスのローブリが考案したもので、彼は皮膚の表面近くにある静脈を「周辺心臓」と名付け、「静脈の伸縮が上手く行われている人は健康であり、伸縮がうまく機能しなくて血の流れが悪い人は、何かしらの病気を持っている」と指摘している。
静脈の血液がスムーズに心臓に戻らなければ内臓に負担がかかり、それが原因で疲労しやすくなる。その結果として活力を奪われるそうです。皮膚の表面にある静脈に伸縮運動を与えることで血液循環(血液の流れ)を活発・促進するための方法が裸療法(大気浴療法)という。
西式健康法ではこの裸療法(大気浴療法)がとりいれられており、皮膚の鍛錬と毛穴からのガス代謝を促進する目的と末梢循環の活性目的で活用されてきたようだ。また皮膚への刺激が自律神経に作用することから、自律神経をマイルドに刺激して交感神経と副交感神経の調和へと働きかける作用があるようだ。不眠の方がこれを3セットほど連続で寝る前におこなうと、自然と寝てしまったなんて話を聞いた事もある。
また皮膚からのガス代謝を促すことによって、腸内ガス由来の自家中毒を緩和する作用があるようだ。そうした結果的に、肝臓や腎臓の働きもよくなるようでもある。
具体的な実践方法
少し窓を開けて空気を入れ換えながら(換気扇などでも可)行う。新鮮な空気を入れ部屋の空気を循環させたいため。裸の時はなるべく身体を動かし、着ているときは安静にすること。
用意するもの
👆毛布かバスローブのいずれかでOK
👆筆者はバスローブの方が行いやすい
バスローブは洗濯も容易だし、着てウロウロ(ちょっと移動)できるから個人的には楽なので用いている。
👆こういう形で全身が毛布にくるまっているのが理想
毛布は、大きいものだと足先まで全身を覆えて簡単に用意できるので、筆者の知人は裸療法(大気浴療法)する時は毛布を用いて行っている。
冬は毛布で、夏はタオルケットというふうに、季節によって素材を使い分けると尚、良いです。
裸療法(大気浴療法)を行う回数は...
裸療法(大気浴療法)は毎日、3セット(1セットは11回)程度実行すると良く、時間帯は、夜明け前、早朝、日没後が良い。続けて一日に何セットもやる場合は、裸療法(大気浴療法)と裸療法(大気浴療法)のセットの間は少なくとも30分以上はあけ、食後も30分、入浴後は1時間以上あけて実行するとよい。
※ガン患者などには、故 甲田光雄医師は11回以上するとよいと指導していたそう。
理由としては、体内の換気をしたすぐよりも時間を置いて濁り始めたぐらいにするという意味では30分ぐらいが目安になるようだ。
クール 裸体時間 毛布を着る時間
1回目 20秒 60秒
2回目 30秒 60秒
3回目 40秒 60秒
4回目 50秒 60秒
5回目 60秒 90秒
6回目 70秒 90秒
7回目 80秒 90秒
8回目 90秒 120秒
9回目 100秒 120秒
10回目 110秒 120秒
11回目 120秒 5~10分
皮膚と腸の秘密
皮膚と腸などの口から肛門までの内側の粘膜は、実は地続きで一枚の存在であったりする。要は、皮膚と腸はそう遠くない関係であり、よく似たものといえる側面があり、例えるなら肌が荒れると腸内が荒れているというような解釈です。
組織学的には異なる性質の細胞によって構成されているのだが、派生学的には外肺葉由来の組織である。まあその論調で皮膚と腸粘膜の関係性を語るならば、実は神経系も外肺葉由来なので脳も親戚になたりする。
あまり混ぜ返して混乱させてもいけないが、皮膚と腸はそう遠くない関係であり、よく似たものともいえる側面があるという事をしておいてほしい。
だから腸が荒れると常在菌が乱れて肌のコンディションが悪くなるなんて事も、そうした関係せいからいくとあながち馬鹿に出来ないのである。反対に皮膚の末梢循環が悪くても腸の状態が悪くなることがあるのだから、相互作用が神経系や循環系の末梢部でおこなわれているのだろう。
ゆえに腸をきれいにするために皮膚を気遣い、美しい肌を育む為には腸を健康に保たなければいけないのである。
裸療法(大気浴療法)の不思議
裸療法(大気浴療法)をやっていくと、不思議な事に気づいた。一日の中で、3回以上の裸療法(大気浴療法)を実施した事がある。するとどうも回数によって身体の感じ方が違う気がしたのだ。
3よりは5回、5回よりも7回行うと、スッキリ度合いが増すように思う。これは筆者の身体の勝手な錯覚なのかと思い、知り合いに聴いてみた。すると、どうも知り合いたちもそうのように感じた事があると以前に話題になったことがあるらしい。
自律神経系の作用や内臓の回復。または細胞レベルでの余裕の獲得に由来する爽快感なのかもしれないが、裸療法(大気浴療法)や温冷浴が西式健康法で推奨される意味の一端に触れたように思う。確かに日々こうした状態(身体への負担減)を維持しながら、しかも自律神経や特定機能の鍛錬につながる行動をとれば健やかで強い身体に鍛え上げられていくというものだろう。
生物としての人体の力強さに思いを馳せる事の出来る出来事だった。
他にも筆者が断食明けの回復食二週間目で少しトチってしまい、ガス腹になってしまった時の体験談である。あの時はおならが酷いし、お腹が張るし、下から出きらないガスがゲップとして上がってくるという苦しいし、お腹が張って痛いしという散々な目にあった。
そんな時に先人の経験から裸療法(大気浴療法)に活路を見い出したのである。すると不思議なもので、裸療法(大気浴療法)を実施しているとゲップは治まり、お腹の張も軽くなったのである。
血液を介して、腸のガスを毛穴から放出していたとしか言えない現象である。不思議な体験であったが、裸療法(大気浴療法)が自家中毒の改善に効果があり、しかも腸や皮膚の循環を改善して健康に導くという事の一端を体験した瞬間でもあった。
前述した裸の回数を稼いだ体験とはまた異なる経験であるのだが、人体の奥深さはまことに絶妙なものでありそこの知れないものだと思うのである。「乾布摩擦」と異なり、皮膚を痛めることなく鍛えられるので、まだ試されたことが無い方は参考にしていただければと思います。
補足
「裸療法(大気浴療法)」以外にも「温冷浴」という似た方法もあるので別記事で紹介していますのでご参考にどうぞ。因みに「温冷浴」は、疲労解消や皮膚の鍛錬、風邪がひきにくく、冷え性の解消にも効果を発揮すると、故 甲田光雄医師は云っております。
I'm glad that you are good health.